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いよいよ化学療法、第一弾!
 
ファルモルビシン
術後の雰囲気が微塵も感じられないアップリケさんは今日も洋裁に精を出しています。さっ、いよいよやって来ました化学療法の初日。乳癌の診療において、今日では手術は検査に過ぎません。治療の本番はこれからです、そう術後補助化学療法。“補助”とは大まちがい、助演でなく“主演”ですね。それも約5ヶ月も続くのです、根性入れて乗り切らねば!です。5月某日、お昼を済ませたアップリケさんはいつもの笑顔で御来院(第一回目だけは入院で行います)。初回ということで適度な緊張感を持った主治医や看護師、優しく声を掛けます“心配しないでいいですよ”って。しかーし、そんなみんなの気遣いもアップリケさんには必要ない様子。気が付けば、さっさと化学療法専用の高級イタリア製リクライニングチェア−(通販で購入)に横たわり、処置台に左腕をぽ〜ん(注釈:乳癌の術後はなぜか患側の腕での注射・採血を避けるのです、ご存知でしたか〜?)。無気味に赤い点滴ボトルが用意され、いよいよ世紀の一瞬です。これらのお薬は血管外に漏れると皮膚が溶けてしまい、治りにくい深掘れ潰瘍を作ってしまいますので、診療スタッフ間には緊張が走ります。お薬に赤や黄の色付けが施されているのもそれだけ注意を喚起する必要があるからです。そんなスタッフの張り詰めた雰囲気とは裏腹に点滴を見上げて、“カキ氷のシロップみたい〜、もうすぐ夏が来るわね〜”。まだほんの少ししか入ってないのに“吐き気は全然ない、へっちゃらです〜”。2時間もかからず無事終了、“どーもないわ〜、拍子抜け〜”。主治医は心の中で“5〜6時間後は大変だ、ゲロゲロだろうな。かわいそうだけど心を鬼にして続けて行かねば。”翌朝、恐る恐る?病室に伺うと‘ゲロ’ではなく‘ケロッ’とした笑顔のアップリケさん。“朝ごはん、美味しかった〜。一晩、どうもなかったよ、先生。流行の還元水、5リットル飲んじゃった。今日、帰ってもいい〜?”ですと。これにはさすがの主治医も驚いた、“こんなにへっちゃらな患者さんは、医師経験20年目にして初めてだ!”。医学の常識を覆したアップリケさん、とっととご帰宅あそばされました(この報道はノンフィクションです)。あとには気疲れした主治医がポツンと、たたずんでいました、“西洋医学より還元水5リットルかな…”。To be continued

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