乳がんQ&A・院長コラム

皮膚にできた良性腫瘍と悪性腫瘍を、犬は鑑別できる。

2010/10/08(金)


英国人女性のホクロを飼い犬が気にして匂いをかぎ、噛み切ろうとさえした。この犬が他のホクロには見向きもしなかったため、女性は皮膚科に受診した。すると、問題のホクロは悪性黒色腫と診断されて直ちに治療された。これは『Lancet』1989年4月1日号に掲載された「Sniffer dog for the clinic?」で紹介されている。

この記事に触れたArmand Cognetta医師(米国、フロリダ州)は調教師と協力して警察犬ジョージを訓練したところ、ジョージは試験管に入った悪性黒色腫のサンプルをほぼ100%の確率で嗅ぎ当て、実際の患者でも同様に悪性黒色腫を鑑別している。

さらにケンブリッジ大学獣医学部では前立腺癌患者の尿を犬に嗅がせて鑑別させる研究を行っている。
Church J,Williams H.Another sniffer dog for the clinic?Lancet 2001;358:930.

※医療の周辺でも盲導犬、聴導犬、介助犬、災害救助犬…ちょっと思い浮かべるだけでも、さまざまな使役犬が活躍していますね。さらに癌まで見つけるとは、驚きです。


千床の巨大病院船を、米国海軍は2隻も保有している。

2010/10/08(金)

(実際にこの病院船に乗った経験のある方からの投稿です)


米海軍には病院船2隻があり、西海岸にMercy、東海岸にはComfortが配属されている。排水量69,360tの船体に一般病室、感染症用の病室などのほか、ICU80床、手術室12室を備え、一般検査、X線、CTも搭載している。船体はタンカーを改造したもの。

※1,000ベッド、手術室12とはまさに海上の総合病院ですね。アメリカのスケールの大きさを感じます。興味があったので調べてみましたが、病院船はこの米国の2隻の他、ロシア4隻、中国2隻の計8隻あるそうです。日本の海上自衛隊では輸送艦おおすみがICU1室(1床)、一般病室2室(8床)、手術室 1室があり、人員輸送スペースを軽傷用病室として拡張することも可能みたいですが、専用の病院船はないようです。


血液型のO型は、本当に0(ゼロ)型だった。

2010/10/08(金)

A抗原もB抗原もないということで0(ゼロ)型と名付けたのが、自然と読み方がアルファベットに統一され、O(オー)型と呼ばれるようになったそうです。

※ちなみに、血液型で性格分析するのは日本が中心となっているそうです。


ジェンナーは初めに自分の子供に種痘の実験をしていない。

2010/10/08(金)

よく新しい方法を試す時に自分の身内から行うということでジェンナーが引き合いに出されるが、実際には、自分の子供の種痘の実験を行ったのではなく、ジェンナー家で働いていた父親のいない8歳のジェームズ・フィップスに実験を行った。日本では、美談にするために、いつの間にか、まず自分の息子に行ったということが広がってしまった。

※美談が作られてしまうこともあるんですね…。


アスピリンを水・コーラ・ビールで飲み比べると水が一番早く吸収される。

2010/10/08(金)


コップ1杯の水・コーラ250ml・コップ2杯のビールでの実験で、水は3時間後に効果のピークに達するのに対し、コーラやビールは5時間後にピークに達する。

※ビールが早いかも、と思っていたので、ちょっと意外でした。その他にも色々な食べ物と薬の「食べ合わせ」があるようですね。


闘う洋裁ママさん物語(最終版)

2010/10/08(金)

恥ずかしいくらいに久しぶりのアップリケさんです。なんと約2年近く、近況報告をサボってしまいました。多くの方々からアップリケさんのその後は?って聞かれて、そのたびに「最近忙しくてなかなか執筆活動ができなくて…ふにゃふにゃ…」とゴマカシテ、やり過ごして来ました。なかには‘ひょっとして?’‘まさか?アップリケさんは…’と怖いことを口にされる方もありました。これは一大事と、この度やっと重い腰?重い筆を持ち上げて報告いたします。
みなさんご安心を!みごとにアップリケさんはお元気そのものですよ。次から次に舞い込む洋裁の注文にも今日も笑顔を絶やさずにせっせと仕上げて行きます。彼女がむらたクリニック来院されると受付から離れた診察室にいても明るい雰囲気が伝わってくるくらいです。術後の過酷な化学療法で‘一休さん’なみになられていたスキンヘッドも今はみごとに天然パーマ・ふさふさヘアー(自称、豪毛)に復活されています。今も平成16年の9月末から開始した内分泌療法をまじめ〜に!服用されています。再発予防の最強戦士アロマターゼ阻害薬を一粒、朝食後にぽ〜んとおちょぼ口の中に放り込まれます。そして伝家の宝刀・還元水をたっぷりお飲みになられます、約4リッタ〜スゴッ!もちのろんっ!で術後約3年、再発の兆候すらありません。はたして最強なのはアロマターゼ阻害薬?還元水? はたまた西洋医学?民間療法?主治医も「わっかりっませ〜ん???」。
アップリケさんが来院されていたある月末の診察室での会話をご紹介します。
院長診察室にて
顧問税理士「送金書類に28万円の経費参入使途不明金がありますが何を購入されましたか?」
院長「はっ〜?ビックリ・ワン・コーポレーション?何かな〜???まさか振り込め詐欺か!って言ったってわしが送金したんだな〜。えらいこっちゃ!」
あーだ、こーだと二人が首を傾げながら噛み合わないやり取りが続いています。
隣の副院長診察室までしっかりと聞こえていました。
  副院長(主治医)「ビックリなんとか〜?大丈夫かいな。28万も分からないお金が発生したなんて(怒)しっかりしてもらわんとこまるなっ!」
  アップリケさん「ブッ!先生(小声で)わたし知ってるわ。あれよ、あ〜れ。」
  副院長「なぜ、あなたがむらたクリニックの税務内容を知ってるぅ…あっ!まさか〜あっ、あれかー!ヤバッ」
もう皆さんお分かりでしょう。

今日も笑顔のアップリケさん。まだまだ、あと2年は朝一粒のお薬を飲み続けます。最新のデータではさらに長期におよぶ内分泌治療が再発率をさらに下げるとの報告もちらほら。乳癌の臨床の場には刻々と様々なエビデンス(科学的根拠に基づく知見)が提供されます。記憶力もほにゃららも半分以下に減退した主治医、悪戦苦闘の日々です。そんな毎日においてアップリケさんから自然な温かいパワーを得て、さらには還元水を飲み続けて戦い続ける主治医〜あっ!バレマシタ。そうなんです、主治医が還元水製造ビックリ・マシーンを28万円でビックリ…から密かに購入していたのです。アップリケさん連載の休止中に彼女の還元水道場にこっそり入門していて院外では立場が逆転しているのです。


副院長(弟子)「師匠、どんなに頑張っても2.5リッターがやっとです。ゲップッ…」
師匠(アップリケさん)「情けない!それでも男かいなぁ〜まだまだアマちゃんだわぁ、ビシッ(鞭の音)」


長〜い連載休止中に意外な変化を遂げたアップリケさん、というか主治医。これからは題目も“主治医&アップリケさん珍道中”にしょっかな。まっ、それはさておき、これからもむらたクリニック・スタッフ一同と共に皆様も見守ってあげてくださいね、エビデンスを軽く超越したアップリケさんを!