乳腺の検査には乳房を圧迫してレントゲン撮影を行うマンモグラフィーと専用のゼリーを塗って乳房全体を観察する超音波検査(エコー)の2種類の検査法があります。
公的な乳癌検診は触診とマンモグラフィー撮影のみを行うことになります。乳房に関するなんらかの愁訴や気になることがおありになる方の受診であれば、どちらを行うか、両方ともに行うかを医師が適宜、判断いたします。
乳がん検診の費用の説明を行なっています。乳がん検診の事でわからないことや不安なことがあれば
お気軽にお問い合わせ、またはお電話下さい。
公的検診の場合
公的検診(マンモグラフィー撮影)での自己負担額は市町村によって異なりますが、ちなみに八代市は40代(4枚撮影)が2600円、50歳以上(2枚撮影)は1900円です。
保険診療の場合
保険診療であれば(2年に1度、変更がありますが)3割負担でマンモグラフィーが1690円、超音波検査が1050円となり、初診料が810円(土曜日の午後と日曜日は960円になります)加算されます。
マンモグラフィー
市町村等の公的検診(40歳以上が対象)であれば、40代の方は左右2方向、計4枚、50歳以上の方は左右1方向、計2枚の撮影を行います。乳癌検診後の再検査・精密検査として保険診療で撮影する際には年齢に関係なく左右2方向、計4枚撮影します。乳癌を心配して直接、当院を受診された保険診療の方も4枚撮影します。デジタル化していますので、従来に比べ所要時間は大幅に短縮され、5分前後で終了します。また、圧迫による乳房の痛みを極力抑えるように女性の臨床放射線技師が丁寧にやさしく撮影いたしますので、安心してお受けください。
‘痛かったので、もう二度と受けたくない’とおっしゃる方はいらっしゃいませんし、仮に痛みを強く感じられた方で何らかの所見が認められた方には、次回からは公的検診を用いずに保険診療として超音波検査を受けられるようお勧めしています。
検査結果は精密検査や保険診療の方にはすぐに説明いたしますが、公的検診の方は他院医師のダブル・チェック後となっていますので、数週間後に郵送でご報告することとなります。また、検査の際に特段、ご用意いただくものはありませんし、お食事の制限もありません。
- 生理前・中のように乳房の痛みや張り感が強い時を避けて御来院ください。
- 乳房の痛みや炎症が主訴の場合は無理には撮影いたしません。
- 保険診療の場合、当院の方針として35歳未満の方はまずは超音波検査から行います。
- 妊娠中や妊娠の可能性がおありになる方には撮影いたしません。
乳腺超音波検査
照明を調節した専用の検査室で上半身裸になっていただき、仰向けで医師が行います。適度に温めて準備しています専用のゼリーをまずは左乳房全体に塗布して、乳房全体から腋のリンパ節の状態も含めて隅々まで観察します。次に右乳房も同様にして行います。検査による痛みや不快感はありません(稀に‘くすぐったい’と感じられる方がありますが)。所要時間は5分から10分です。
検査終了後にゼリーを拭き取る温かい濡れタオルや乾いたタオルは用意してありますので御持参いただかなくて結構です。腋毛等のお手入れは普段通りで構いませんし、わざわざ処理なされなくても検査は可能です。
吸引細胞診・太針生検(ふとばりせいけん)について
マンモグラフィーおよび超音波検査の結果から何らかの所見があり、経過観察にはしない方が良いと判断した際には病理学的検査(顕微鏡での細胞・組織診断)が必要である旨をその場でご説明して、患者様が同意していただけたら、細胞・組織の採取を行います。皮膚を消毒し、局所麻酔を行い、超音波で観察しながら目的の部位まで専用の特殊な針を誘導し、確実に採取します。よって、手に触れないような小さい標的や深い部位からの採取が可能です。吸引細胞診は嚢胞性病変、すなわち内部が液状でその液の中に細胞が浮遊または存在するのでは?と疑った場合に行います。太針生検は内部が細胞や線維で充満していると疑われる、いわゆる‘しこり’の一部を瞬時に切り取ってくる優れた方法(乳腺切採法)で乳癌か否かの診断には欠かせない精度の高い手技です。
所要時間は数分から長くても10分で済みますし、処置に伴う痛みや出血もほとんどありません。以前行われていたような皮膚の切開生検とは異なり傷も残りませんし、皮膚の縫合も不要ですので抜糸もありません。検査後はお薬の処方も不要で、すぐに帰宅できますし、当日の入浴も可能です。検査結果は数日で判明しますので、当方に控えさせていただいているお電話に遅滞なくご連絡いたします。費用は3割負担で吸引細胞診が1050円、太針生検が5070円です。